『リリーのすべて』の絵画的な美しさ。

 『リリーのすべて』を見ました。主演のエディ・レッドメインは『レ・ミゼラブル』のマリウス役で始めて見て品のあるさわやかな俳優さんだな、というくらいの印象でした。今年になって劇場で観た『ファンタジー・ビースト』の生物学者役がはまり役で好きになりました。ハンサムだけど、時々ファニーフェイスになる、というか表情が魅力的な役者さんだと思います。『リリーのすべて』では性別の不一致に悩む主人公が少しずつ『リリー』になるのを繊細に演じています。 

 撮影、美術、衣装も見応えがあって、アトリエ兼住居がハンマースホイの絵画の色合いにそっくりです。映画を見た後調べたらしっかり意識して撮られていたようです。室内の雰囲気や、時より挿入される遠景が絵画のように美しい映画です。あと主要な登場人物の服装もすごくお洒落です。