三木稔『巨火』を聴く。

 日本音楽集団の定期演奏会を聴いて来ました。

プログラムは前半が2曲。

佐藤敏直『ディヴェルティメント』

これは、メロディックで聴きやすい作品でした。指揮者が名誉職でしょうか。もっと演奏家の力を引き出すような指揮をして欲しかったです。若い演奏家さんもいたのにもったいないというか。ディヴェルティメントですしね。

伊福部昭『交響譚詩』

この曲は原曲はオーケストラで、それを邦楽器に編曲したもの。民族楽派、土着的な感じでした。時代がかっているといういえばそうなのですが、それもまた興味深いし楽しんで聴けます。

 

休憩をはさんでメインの三木稔『巨火』。“ほて”と読みます。

とんでもない曲でした。三木稔さんの作品は叙情的なメロディーのものも多いのですが、この曲は違います。熱量が凄まじいです。きれいは汚い、汚いはきれい…というような大きなつぼの中にぶち込まれたような体験でした。ときたま表層の世界に出てくるのですが、ほぼ無意識下にある音をそのまま書いたのではと思うようなテンションで白昼夢を見ているようでした。でも、書かれた音に無理が無くて日本の楽器のエネルギーが十分に感じられました。

 

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